交読文 10 詩32編
その咎をゆるされ、
その罪をおおわれし者は、幸いなり。
不義を主に負わせられざる者、
心に偽りなき者は、さいわいなり。
われ言いあらわさざりし時には、日ねもす悲しみ叫びたるがゆえに、
わが骨ふるびおとろえたり。
汝の御手は夜も昼も、わが上にありて重し、
わが身の潤いは変わりて、夏の日照りの如くなれり。
かくてわれ、汝のまえにわが罪をあらわし、
わが不義をおおわざりき。
われ言えらく、わが咎を主に言いあわわさんと、
かかる時しも汝、わが罪のよこしまを赦したまえり。
されば神をうやまう者は、汝にあうことを得べき間に汝ら祈らん、
大水あふれ流るるとも、必ずやその身に及よばじ。
汝はわが隠るべき所なり、汝なやみを防ぎて我を守り、
救いの歌をもて我をかこみたまわん。
われ汝をおしえ、汝を歩むべき道に導き、
わが目を汝にとめてさとさん。
汝ら弁(ワキマ)えなき馬の如く、驢馬(ウサギウマ)の如くなるなかれ、
彼らは轡(クツワ)、手綱(タヅナ)の如き具をもて引きとめずば、近づききたることなし。
悪しき者は悲しみ多かれど、
主によりたのむ者は、憐れみにて囲まれん。
正しき者よ、主を喜びたのしめ、
すべて心の直き者よ、喜び呼ばうべし。