交読分 11,詩40編

われ耐えしのびて、主を待ち望みたり、
   主われに向いて、わが叫びをききたまえり。
また我を滅びの穴より、泥(ヒジ)のなかよりとりいだして、
   わが足を岩の上におき、わが歩みをかたくしたまえり。
主は新しき歌を、わが口に入れたまえり、
   こは我らの神にささぐる讃美なり。
多くの人はこれを見ておそれ、
   かつ主によりたのまん。
主を己(オノ)がたのみとなし、
   高ぶる者によらず、偽りにかたぶく者によらざる人は、幸いなり。
わが神、主よ、汝のなしたまえる奇(クス)しき御業(ミワザ)と、
   我らに向う思いとはいと多くして、
汝のみまえにつらね言うことあたわず、
   我これを言いのべんとすれど、その数かぞうることあたわず。
なんじ犠牲(イケニエ)供物(ソナエモノ)とを喜びたまわず、汝わが耳をひらきたまえり、
   なんじ燔祭(ハナンサイ)と罪祭(ザイサイ)とをもとめたまわず、
その時われ言えらく、みよ我きたらん、
   わがことを書(フミ)の巻(マキ)にしるしたり、
わが神よ、我は御心(ミココロ)にしたがうことを楽しむ、
   汝の法(ノリ)はわが心のうちにありと。
願わくは汝を尋ね求むる者、みな汝によりて楽しみ喜ばんことを、
   汝の救いをしたう者の、常に主は大いなるかなととなえんことを。
我は苦しみ且ともし、
   主われをねんごろに思いたもう。
汝はわた助けなり、われを救いたもう者なり、
   ああわが神よ、願わくはためらいたもうなかれ。