「絶えず祈りなさい」 ルカによる福音書 18章1〜8節

祈りについて
 祈りは人間の人間たるゆえんではないか。祈っている猿を見たことがない。祈っている牛も見たことがない。祈りは他の動物にはないものです。
 「祈りは人間の根源的な欲求に基づいた人間の活動様式である」

 人間にとって祈りは、赤ちゃんがお腹がすいたよ、おむつが濡れて気持ちが悪いよ、お腹が痛いよ、と言って泣くように、本来は誰に教えられなくても自然に出て来るものではないだろう。本当の母親ならそれに応えないはずはない。神においておやだ。
 それが、文明の発達と共に、人間はその力を過信するようになり、神に取って代わろうとするようになった。文明礼賛、人間礼賛、神不信、神など信じられない、神に祈るなどナンセンスだ、祈っても何の力も応答も得られない、ということになった。

 信仰者においても、
 祈りは、本当に聞かれているのだろうか。気休めではないのか。神は何をしているのだろうか、という思いになる。

 また、自分は不信仰で、自分の祈りは、つたなく聞かれないのではないか、という思いも湧いてくる。
 母屋は赤ちゃんの泣き声や言葉、態度を注意深く聞いている。多くの赤ちゃんの中からでも自分の子の泣き声を聞き分けることが出来る。多雨sけが必要な時は飛んでいって助ける。そのように神は私たちがどう祈ってよいか分からない、口ごもるときでも、言葉にならない叫びでも、その声を聴いていて下さっている。
ローマ・08:26同様に、“霊”も弱いわたしたちを助けてくださいます。わたしたちはどう祈るべきかを知りませんが、“霊”自らが、言葉に表せないうめきをもって執り成してくださるからです。
 何故、そう思えるのか。神はその独り子を賜るほどに世を愛されたからだ。人は御子イエス・キリストにおいて、彼の十字架のもとで神の愛と出会うその時、この不信仰な、罪多い者も赦され、愛されていることを知る。そして、自分のつたない祈りも、神は聴いて下さっていることを知る。

ローマ・08:31では、これらのことについて何と言ったらよいだろうか。もし神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。 08:32わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか。 08:33だれが神に選ばれた者たちを訴えるでしょう。人を義としてくださるのは神なのです。
テサロニケ二・12:12希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい。

05:16いつも喜んでいなさい。 05:17絶えず祈りなさい。 05:18どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。 05:19“霊”の火を消してはいけません。

 絶えず祈れ (ルカによる福音書18:1〜18)
18:01イエスは、気を落とさずに絶えず祈らなければならないことを教えるために、、弟子たちにたとえを話された。
18:02「ある町に、神を畏れず人を人とも思わない裁判官がいた。
18:03ところが、その町に一人のやもめがいて、裁判官のところに来ては、『相手を裁いて、わたしを守ってください』と言っていた。
18:04裁判官は、しばらくの間は取り合おうとしなかった。しかし、その後に考えた。『自分は神など畏れないし、人を人とも思わない。
18:05しかし、あのやもめは、うるさくてかなわないから、彼女のために裁判をしてやろう。さもないと、ひっきりなしにやって来て、わたしをさんざんな目に遭わすにちがいない。』」
18:06それから、主は言われた。「この不正な裁判官の言いぐさを聞きなさい。まして神は、昼も夜も叫び求めている選ばれた人たちのために裁きを行わずに、彼らをいつまでもほうっておかれることがあるだろうか。
18:08言っておくが、神は速やかに裁いてくださる。しかし、人の子が来るとき、果たして地上に信仰を見いだすだろうか。」

 気を落とさず、ということは弟子たちが気を落としようなことがあったのでしょう。又、絶えず祈らねばならない、とは弟子たちは祈り続けてきたことがあったが、それが途絶えそうになっていたのでしょう。弟子たちが祈り続け、求め続けてきたものは、「神の国」「イスラエルの再興」であったルカによる福音書17章20〜)

 絶えず祈り続ける、ということが四六時中ということなら無理です。修道院でも入って呪文のように祈り続けるしかない。そういうことを言っているのではない。一向に自体が改善しない中でも、気を落とさず、諦めずに、繰り返し祈れ、食い下がって祈れ、ということです。

 ところが、この悪どい裁判官でも、やもめの執拗な訴えに、根負けしうるさくてかなわないので、しかたなく裁判をした、という。
 こんな裁判官でもやもめの訴えを聞くのだから、ましてや神である天の父は、昼も夜も叫び求めている選ばれた人たちのために、その裁きを行わず、彼らをいつまでもほうっておくことがあるだろうか、と。
 だから、気を落とさずに絶えず祈りなさい。神は必ずその祈りを聴いて下さる。
 実際、この約2週間に、イエス様は十字架と復活によって神の国の実現を成就した。弟子たちの祈っていた神の国とは違っていたが、彼らの祈りはより完全な形できかれた

 ※今年の聖句ヨハネによる福音書15:5節、ブドウの木の枝に繋がって、実を豊かにならすように、私たちがキリストにしっかり繋がって、互いに愛し合い、支え合い、神の栄光を現すキリストの教会(神の国)の実現を!そのためにまず礼拝の時間を守ろう、礼拝に毎週出席出来るように努めよう。
 しかし、実際は難しい。まず、このことの実現のために祈ろう。弟子たちは神の国の実現のために祈った。現実を見るとくじけそうになる。失望することが多い。それでも気を落とさず、絶えず祈り続けよ、とイエス様は言われる。

 イエス様は更にその続きに不可解な言葉を言われた。
 「しかし、人の子が来る時に、果たして地上に信仰を見いだすだろうか。」「人の子」とはダニエル書7章に預言されている、やがて雲に乗ってこられる裁き主なるキリストのことです。その時に神を信頼して祈り続けて待っている人がどれだけいるだろうか、という意味です。それだけ世は堕落し、混乱して、悪が世に満ちていくと言うことです。まさに、ノアの洪水の時のようになる。人々は神に祈るなど考えもしないで、直前まで、自分の欲望に任せて、飲んだり、食べたり、めとったりしていた。
マタイ:06:09だから、こう祈りなさい。『天におられるわたしたちの父よ、
御名が崇められますように。 06:10御国が来ますように。御心が行われますように、
天におけるように地の上にも。

ダニエル書7章
07:01バビロンの王ベルシャツァルの治世元年のことである。ダニエルは、眠っているとき頭に幻が浮かび、一つの夢を見た。彼はその夢を記録することにし、次のように書き起こした。
07:02ある夜、わたしは幻を見た。見よ、天の四方から風が起こって、大海を波立たせた。
07:03すると、その海から四頭の大きな獣が現れた。それぞれ形が異なり、
07:04第一のものは獅子のようであったが、鷲の翼が生えていた。見ていると、翼は引き抜かれ、地面から起き上がらされて人間のようにその足で立ち、人間の心が与えられた。
07:05第二の獣は熊のようで、横ざまに寝て、三本の肋骨を口にくわえていた。これに向かって、「立て、多くの肉を食らえ」という声がした。
07:06次に見えたのはまた別の獣で、豹のようであった。背には鳥の翼が四つあり、頭も四つあって、権力がこの獣に与えられた。
07:07この夜の幻で更に続けて見たものは、第四の獣で、ものすごく、恐ろしく、非常に強く、巨大な鉄の歯を持ち、食らい、かみ砕き、残りを足で踏みにじった。他の獣と異なって、これには十本の角があった。
07:08その角を眺めていると、もう一本の小さな角が生えてきて、先の角のうち三本はそのために引き抜かれてしまった。この小さな角には人間のように目があり、また、口もあって尊大なことを語っていた。
07:09なお見ていると、王座が据えられ「日の老いたる者」がそこに座した。その衣は雪のように白くその白髪は清らかな羊の毛のようであった。その王座は燃える炎その車輪は燃える火
07:10その前から火の川が流れ出ていた。幾千人が御前に仕え
幾万人が御前に立った。裁き主は席に着き巻物が繰り広げられた。
07:11さて、その間にもこの角は尊大なことを語り続けていたが、ついにその獣は殺され、死体は破壊されて燃え盛る火に投げ込まれた。
07:12他の獣は権力を奪われたが、それぞれの定めの時まで生かしておかれた。
07:13夜の幻をなお見ていると、見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み
07:14権威、威光、王権を受けた。諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え彼の支配はとこしえに続きその統治は滅びることがない。
07:15わたしダニエルは大いに憂い、頭に浮かんだこの幻に悩まされた。
07:16そこに立っている人の一人に近づいてこれらのことの意味を尋ねると、彼はそれを説明し、解釈してくれた。
07:17「これら四頭の大きな獣は、地上に起ころうとする四人の王である。
07:18しかし、いと高き者の聖者らが王権を受け、王国をとこしえに治めるであろう。」
07:19更にわたしは、第四の獣について知りたいと思った。これは他の獣と異なって、非常に恐ろしく、鉄の歯と青銅のつめをもち、食らい、かみ砕き、残りを足で踏みにじったものである。
07:20その頭には十本の角があり、更に一本の角が生え出たので、十本の角のうち三本が抜け落ちた。その角には目があり、また、口もあって尊大なことを語った。これは、他の角よりも大きく見えた。
07:21見ていると、この角は聖者らと闘って勝ったが、
07:22やがて、「日の老いたる者」が進み出て裁きを行い、いと高き者の聖者らが勝ち、時が来て王権を受けたのである。 07:23さて、その人はこう言った。「第四の獣は地上に興る第四の国これはすべての国に異なり全地を食らい尽くし、踏みにじり、打ち砕く。
07:24十の角はこの国に立つ十人の王そのあとにもう一人の王が立つ。彼は十人の王と異なり、三人の王を倒す。
07:25彼はいと高き方に敵対して語りいと高き方の聖者らを悩ます。彼は時と法を変えようとたくらむ。聖者らは彼の手に渡され一時期、二時期、半時期がたつ。
07:26やがて裁きの座が開かれ彼はその権威を奪われ滅ぼされ、絶やされて終わる。
07:27天下の全王国の王権、権威、支配の力はいと高き方の聖なる民に与えられその国はとこしえに続き支配者はすべて、彼らに仕え、彼らに従う。」
07:28ここでその言葉は終わった。わたしダニエルは大層恐れ悩み、顔色も変わるほどであった。しかし、わたしはその言葉を心に留めた。