「神の栄光にあずかる希望」ローマの信徒への手紙4章18節〜5章5節

 1800年代、エジソンが電球を発明して以来、ここ二百年ほど化学が発達すればするほど、未来に明るい希望が開けると思って、世界は進んできた。そして化学はめざましい発展を遂げてきた。しかし、今、未来に明るい希望が開けているだろうか。化学の発達によって自然環境は悪化の一途をたどっている。特に原子力の問題では暗雲が立ちこめている。その原因は科学の進歩に較べ、それを使う人間の道徳の進歩がなかったからだ。いや、化学、経済の進歩に重点を置きすぎて、人間の内面の進歩を疎かにしてきたからだ。

 ※オバマ大統領の広島でのスピーチ 2016.5.27(抜粋)
 「化学のおかげで私たちは海を越えて交流し、雲の上を飛び、病気を治し、宇宙を理解するが、こうした科学的発見はより性能のいい殺りく兵器にも変わり得る。
 近代の戦争は私たちにこの真実を教えてくれる。広島がこの真実を教えてくれる。技術は、人間社会の進歩を伴わなければわれわれに破滅をもたらす。原子の分裂へと導いた科学的革命は、モラルの革命も必要とする。


◎神を離れては、科学の進歩は人間を高慢にするばかりです。やがて自らをコントロールすることができなくなり、バベルの塔のように崩れ去るしかなくなる。

☆☆キリストに繋がり、そこから良き実(喜び、平和、寛容、親切、善意、、誠実、自制など)を実らせる(モラル革命)ことについて、イエス様はこの様に言われた。
ヨハネによる福音書15章5節
15:05わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。
(M・ルター)
 「やがて成長して果実が得られるという希望がなければ、農夫は畑に種をまかない。」

 キリストを信じると言うことは豊かな実を結ぶ、という希望を約束されている。

11:06信仰がなければ、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神が存在しておられること、また、神は御自分を求める者たちに報いて下さる方であることを、信じていなければならないからです。

 ◎信仰と希望は深く結びついている。
 神がこうして下さる、と言うことを信じて、謙虚に、その実現を希望して待ち望むことが信仰である。
 例えば、アブラハムは神の言葉を信じて、その実現を希望し続けた。そして、神は彼の信仰を喜ばれ、その希望を実現された。

ローマの信徒への手紙04:18彼は希望するすべもなかったときに、なおも望みを抱いて、信じ、「あなたの子孫はこのようになる」と言われていたとおりに、多くの民の父となりました。 04:19そのころ彼は、およそ百歳になっていて、既に自分の体が衰えており、そして妻サラの体も子を宿せないと知りながらも、その信仰が弱まりはしませんでした。 04:20彼は不信仰に陥って神の約束を疑うようなことはなく、むしろ信仰によって強められ、神を賛美しました。 04:21神は約束したことを実現させる力も、お持ちの方だと、確信していたのです。 04:22だからまた、それが彼の義と認められたわけです。
 アブラハムは神の約束を信じた。それが彼(アブラハム)の義と認められた。「彼の義」とは何か。義とは正しいという意味ですが、規則を守る、違反しないというような正しさというより、「義」には人格な要素が含まれ、神との関係性において正しい関係にある、という意味。もっと言えば「神の子」と認められること、と言ってもいい。

04:23しかし、「それが彼の義と認められた」という言葉は、アブラハムのためだけに記されているのでなく、 04:24わたしたちのためにも記されているのです。わたしたちの主イエスを死者の中から復活させた方を信じれば、わたしたちも義と認められます。 04:25イエスは、わたしたちの罪のために死に渡され、わたしたちが義とされるために復活させられたのです。

 神は私たちへの約束の言葉として与えて下さった言葉が24・25節の言葉である。私たちの罪とは、神を神として崇めないこと、互いに愛し合いなさいと言う神の掟に従い得ないで、争いを繰り返していること、心の中まで照らされるなら、とても自分は正しいとは言えない状態のことである。私たちの罪をきよめるためには御子イエス様の血による罪のきよめ、贖罪が必要だった。私たちが神との間の関係性を回復するために。

ローマの信徒への手紙
05:01このように、わたしたちは信仰
(行いに寄らず、イエスを信じる信仰によって)によって義(神と正しい関係:神の子)とされたのだから、わたしたちの主イエス・キリストによって神との間に平和を得ており、 05:02このキリストのお陰で、今の恵み(神の子としての祝福)に信仰によって導き入れられ、神の栄光(神の聖、義、愛、贖罪の業)にあずかる希望を誇りにしています。 05:03そればかりでなく、苦難をも誇りとします。わたしたちは知っているのです、苦難は忍耐を、 05:04忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。 05:05希望はわたしたちを欺くことがありません。わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからです。

※キング牧師のスピーチ・・I Have a Dream(私には夢がある) 1963.8.23
 「私には夢がある。つまりいつの日か、この国が立ち上がり、『我々すべての人々が平等に造られている事を、自明の真理と信じる』(アメリカ独立宣言)というこの国の信条を真の意味で実現させることだ。」

 私たちには希望がある。いつの日か神の栄光にあずかるという希望である。私たちには希望がある。苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生む。という希望である。なぜなら、聖霊によって神の愛が私たちの心に注がれているからである。