「不思議な導き」 使徒言行録16章6〜15節

 パウロは第一回の伝道旅行から帰って、暫くして(2〜3年後)、もう一度福音を伝えたところを見てこようと、シラスを選びアンティオキア教会から主の恵みに委ねられて、第二回の伝道旅行に出かけていった。シリア、キリキア州を通り、デルベ、リストラに行った。第一回から教会はどうだったのでしょうか。残った人、去っていった人、そして新しく加わった人、教会は長老を中心に生き続けてきた。その中からテモテが伝道チームに加わった。

16:06さて、彼らはアジア州で御言葉を語ることを聖霊から禁じられたので、フリギア・ガラテヤ地方を通って行った。 16:07ミシア地方の近くまで行き、ビティニア州に入ろうとしたが、イエスの霊がそれを許さなかった。 16:08それで、ミシア地方を通ってトロアスに下った。
 神の不思議な導き
 地図で説明。
 「聖霊から禁じられた」「イエスの霊がそれを許さなかった」とは同じことを言っていますが、具体的にはどういうことだったのか。
 @思わぬトラブル・・コリント二11:24ユダヤ人から四十に一つ足りない鞭を受けたことが五度。 11:25鞭で打たれたことが三度、石を投げつけられたことが一度、難船したことが三度。一昼夜海上に漂ったこともありました。 11:26しばしば旅をし、川の難、盗賊の難、同胞からの難、異邦人からの難、町での難、荒れ野での難、海上の難、偽の兄弟たちからの難に遭い、 11:27苦労し、骨折って、しばしば眠らずに過ごし、飢え渇き、しばしば食べずにおり、寒さに凍え、裸でいたこともありました。 11:28このほかにもまだあるが、その上に、日々わたしに迫るやっかい事、あらゆる教会についての心配事があります。
民数記22:22ところが、彼が出発すると、神の怒りが燃え上がった。主の御使いは彼を妨げる者となって、道に立ちふさがった。バラムはろばに乗り、二人の若者を従えていた。 22:23主の御使いが抜き身の剣を手にして道に立ちふさがっているのを見たろばは、道をそれて畑に踏み込んだ。バラムはろばを打って、道に戻そうとした。 22:24主の御使いは、ぶどう畑の間の狭い道に立っていた。道の両側には石垣があった。 22:25ろばは主の御使いを見て、石垣に体を押しつけ、バラムの足も石垣に押しつけたので、バラムはまた、ろばを打った。 22:26主の御使いは更に進んで来て、右にも左にもそれる余地のない狭い場所に立ちふさがった。 22:27ろばは主の御使いを見て、バラムを乗せたままうずくまってしまった。バラムは怒りを燃え上がらせ、ろばを杖で打った。 22:28主がそのとき、ろばの口を開かれたので、ろばはバラムに言った。「わたしがあなたに何をしたというのですか。三度もわたしを打つとは。」 22:29バラムはろばに言った。「お前が勝手なことをするからだ。もし、わたしの手に剣があったら、即座に殺していただろう。」 22:30ろばはバラムに言った。「わたしはあなたのろばですし、あなたは今日までずっとわたしに乗って来られたではありませんか。今まであなたに、このようなことをしたことがあるでしょうか。」彼は言った。「いや、なかった。」 22:31主はこのとき、バラムの目を開かれた。彼は、主の御使いが抜き身の剣を手にして、道に立ちふさがっているのを見た。彼は身をかがめてひれ伏した。 22:32主の御使いは言った。「なぜ、このろばを三度も打ったのか。見よ、あなたはわたしに向かって道を進み、危険だったから、わたしは妨げる者として出て来たのだ。 22:33このろばはわたしを見たから、三度わたしを避けたのだ。ろばがわたしを避けていなかったなら、きっと今は、ろばを生かしておいても、あなたを殺していたであろう。」 22:34バラムは主の御使いに言った。「わたしの間違いでした。あなたがわたしの行く手に立ちふさがっておられるのをわたしは知らなかったのです。もしも、意に反するのでしたら、わたしは引き返します。」 22:35主の御使いはバラムに言った。「この人たちと共に行きなさい。しかし、ただわたしがあなたに告げることだけを告げなさい。」バラムはバラクの長たちと共に行った。
 A預言的直感・・・パウロが霊的にそう直感した。

16:09その夜、パウロは幻を見た。その中で一人のマケドニア人が立って、「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください」と言ってパウロに願った。 16:10パウロがこの幻を見たとき、わたしたちはすぐにマケドニアへ向けて出発することにした。マケドニア人に福音を告げ知らせるために、神がわたしたちを召されているのだと、確信するに至ったからである。
 幻を見た
幻 @光景、見たこと(もの) A幻、幻影、幻視
   幻・・・実態がないのに実在するように見えること。
使徒10:3コルネリウスに天使が。10:03ある日の午後三時ごろ、コルネリウスは、神の天使が入って来て「コルネリウス」と呼びかけるのを、幻ではっきりと見た。
使徒10:17ペトロ天から汚れた動物・・・10:11天が開き、大きな布のような入れ物が、四隅でつるされて、地上に下りて来るのを見た。 10:12その中には、あらゆる獣、地を這うもの、空の鳥が入っていた。 10:13そして、「ペトロよ、身を起こし、屠って食べなさい」と言う声がした。 10:14しかし、ペトロは言った。「主よ、とんでもないことです。清くない物、汚れた物は何一つ食べたことがありません。」 10:15すると、また声が聞こえてきた。「神が清めた物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない。」 10:16こういうことが三度あり、その入れ物は急に天に引き上げられた。 10:17ペトロが、今見た幻はいったい何だろうかと、ひとりで思案に暮れていると
※これを即、神の導きと確信してよいのだろうか。それはその人の信仰jの判断である。人生の大きな岐路に立ったとき、いくつかの選択肢の中でどれを選ぶか迫られることがある。その時どうするか。神を第一にする、つまりその選択は信仰、礼拝を大切にできるだろうか。

※「マケドニア人が立って」とは、使徒言行録を記したルカ自身であった、という節もある。
※ここはWeセクションと言われているところでもある。
 「彼ら」から「わたしたち」に変わっている。6節には「彼らは」とあり、10節には「わたしたちは」となっている。つまり、この使徒言行録を書いた著者自身(ルカ)がここからパウロ一行に加わったのではないか、ということだ。

16:11わたしたちはトロアスから船出してサモトラケ島に直航し、翌日ネアポリスの港に着き、 16:12そこから、マケドニア州第一区の都市で、ローマの植民都市であるフィリピに行った。そして、この町に数日間滞在した。 16:13安息日に町の門を出て、祈りの場所があると思われる川岸に行った。そして、わたしたちもそこに座って、集まっていた婦人たちに話をした。 16:14ティアティラ市出身の紫布を商う人で、神をあがめるリディアという婦人も話を聞いていたが、主が彼女の心を開かれたので、彼女はパウロの話を注意深く聞いた。 16:15そして、彼女も家族の者も洗礼を受けたが、そのとき、「私が主を信じる者だとお思いでしたら、どうぞ、私の家に来てお泊まりください」と言ってわたしたちを招待し、無理に承知させた。

○マケドニ州「第一区」・・・最上級が使われ、最重要な、第一の町
○植民都市・・・ローマ帝国が征服地にローマ人(兵士や市民)を居住させて作った町。
○フィリピ・・・アレクサンダー大王(BD336〜323)の父フィリポの建設した市、貿易都市として繁栄。
「祈りの場」
 ユダヤ人が少ない為、会堂(シナゴーグ)が無いところでは、ユダヤ人は湖畔など適当な場所を選び安息日の礼拝を行った。ここに集まっていたのは婦人達であった。
 神をあがめるリディアという婦人とあるが、彼女はユダヤ人ではなく、ユダヤ教への改宗者であった。
※紫布の商人・・・紫布は高貴な色とされ、アフリカ、小アジア、フェニキアの沿岸で採集される美しいアッキ貝から取れる染料で染色され、古代では最も尊ばれた色である。
 ルカ16:19裕福な人、王族や貴族が紫布で織った服を着ていた。(ルカ16:19ある金持ちがいた。いつも紫の衣や柔らかい麻布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮らしていた。)
 リディアは王族や貴族と取引をしていたやり手の女商人であった。そのような彼女の心を主が開かれたので、彼女は熱心に、注意深くパウロが語るイエス・キリストの福音に耳を傾けた。彼女はキリストを信じた。そして、彼女も家族もバプテスマを受けた。彼女はすぐにパウロ達一行を自分の家に来て泊まるように招待したのです。無理に承知させた、とあるのはパウロ達がその招きに渋ったのでしょうか。 ユダヤ人は異邦人との食事や宿泊は禁止されていた。 彼らは福音によってそれからは解放されていたであろうか、もし、わたしたちが外国人の家に泊まるとなると、どうぞ是非にと言われても中には躊躇する者もいたかもしれない。テモテなどは神経質であったので尻込みしたのかもしれない。リディアは商人ですから、少し強引なところがあったのでしょうか。
 いずれにしろリディアはフィリピの教会が出来る上で無くてはならない人物となった。
 教会は何時の時代も女性の働きが大きい。数も男性よりも多い。

 神の不思議な導き、聖霊の働きは私たちの思いを遙かに超えて、あらゆる人びとに福音が伝わっていくように、天からの視野でもってなされている。
 主がどのように導かれるのか注意深く、祈りつつ道を選んでいこう。もし、障害が色々と起きるようなら途中で変更する決断も必要である。